悩みを相談されたとき、あなたはどうしていますか?
家族や友人、職場の人から悩みを相談されたとき。
「それなら、こうしたらいいんじゃない?」
「私だったら、こうするかな」
そんなふうに、解決策を考えることはありませんか?
相手の力になりたい。
少しでも気持ちを楽にしてあげたい。
だから一生懸命、答えを探す。
私も、ずっとそうでした。
でも、脳科学を学ぶようになってから、私の中で少しずつ変わってきたことがあります。
それは、人の悩みとの向き合い方です。
以前の私は、答えを探してあげようとしていました
誰かの悩みを聞き始めると、私の頭の中では、もう次のことを考えていました。
「どうアドバイスしたらいいだろう?」
「どんな方法なら解決できるかな?」
「私が何か答えを見つけてあげなくちゃ」
もちろん、相手の役に立ちたいという気持ちからです。
これまで塾の講師や保険の仕事、美容や健康のカウンセリングなど、さまざまな場面で人と関わってきました。
相手の状況を理解して、必要な情報を整理して、解決につながる方法を考える。
それは私が得意としてきたことでもあります。
でも、あるときから、少し違うことを考えるようになりました。
「私が考えた答えは、本当にその人にとっての答えなのかな?」
同じ出来事でも、人によって受け取り方は違う
例えば、何か新しいことを始めるとき。
「面白そう! まずやってみよう」と思う人もいれば、
「もう少し調べて、納得してから始めたい」と思う人もいます。
悩みを相談するときも同じです。
具体的な解決策を知りたい人。
まずは気持ちを聞いてほしい人。
話しながら、自分の考えを整理したい人。
同じ言葉を聞いても、受け取り方が違うことだってあります。
私たちの考え方や反応には、生まれ持った特性だけでなく、これまでの経験や環境、学習など、さまざまなものが関わっています。
だから、自分にとって当たり前の考え方が、相手にとっても当たり前とは限りません。
脳の働きや人それぞれの思考の傾向を学ぶことは、そんな違いに気づくきっかけになります。
ただし、脳の傾向を知ったからといって、その人のすべてが分かるわけではありません。
大切なのは、人をタイプで決めつけることではなく、違う見方があると知ることだと思っています。
「答えを教える」から「答えを一緒に探す」へ
脳科学や人の可能性について学ぶうちに、私自身の関わり方も変わってきました。
以前は、相手の悩みを聞きながら、私が解決策を探していました。
でも今は、その人自身が、自分の中にある答えに気づけるようにお手伝いしたいと思っています。
「本当は、どうしたい?」
「あなたにとって、一番大切なことは何?」
「もしできるとしたら、どんな方法がありそう?」
そんな問いかけをしながら、一緒に考えていく。
もちろん、必要な情報やアドバイスを伝えることもあります。
でも、私が正解を決めるのではなく、その人自身が納得して選べることを大切にしたい。
それはきっと、
「人にはそれぞれ、自分の中に可能性がある」
という考え方が、私自身に根づいてきたからだと思います。
相手の可能性を信じると、見え方が変わる
もう一つ、変わってきたことがあります。
以前より、相手の考えや選択を、自分の基準で良い・悪いと判断しなくなったことです。
自分にとっては重要ではないことでも、相手にとっては、とても大切なことかもしれない。
自分だったら選ばない方法でも、その人には、その方法を選ぶ理由があるのかもしれない。
そう考えると、すぐに答えを出す前に、
「この人は、何を大切にしているんだろう?」
と、一度立ち止まれるようになりました。
もちろん、何でも無条件に受け入れるという意味ではありません。
自分の考えも大切にしながら、相手の考えも尊重する。
そのうえで、どう関わっていくかを考える。
私は、これも脳科学を学んで得られた大きな変化の一つだと感じています。
人との関わり方は、日常のあちこちにある
こうした考え方は、特別なカウンセリングの場面だけで使うものではありません。
家族との会話。
友人からの相談。
職場でのコミュニケーション。
お客様との関わり。
地域活動や、初めて出会う人との会話。
私たちは毎日、誰かと関わりながら暮らしています。
その中で、
「どうして、この人はこうなんだろう?」
と思ったときに、
「もしかしたら、私とは違う見方をしているのかもしれない」
と考えられるだけでも、次にかける言葉が変わることがあります。
そして、相手だけでなく、自分自身についても同じです。
「どうして私は、こんなことが気になるんだろう?」
「どうして、いつも同じところで悩むんだろう?」
そんなとき、自分の考え方の傾向を知ることが、新しい選択肢を見つけるきっかけになるかもしれません。
脳を知ることは、人を決めつけることではない
私は、脳科学を学んだからといって、人の気持ちが何でも分かるようになったわけではありません。
今でも、理解できないことはあります。
自分の考えを伝えたくなることもあります。
でも、以前と比べて変わったのは、
「この人のお悩み解決のために何しよう?」
ではなく、
「この人が自分の可能性を活かすために、私は何ができるだろう?」
と考えるようになったこと。
そして、自分自身にも、まだ知らない可能性があると思えるようになったことです。
脳を知ることは、自分や相手にレッテルを貼るためではありません。
自分を理解し、相手の違いを知り、関わり方の選択肢を増やすため。
私は、そんなふうに学びを活かしていきたいと思っています。
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吉永順子
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